地震に備えた住宅について今日は考えてみたいと思います。
免震工法、制震工法、多数の地震に備えた工法がありますが、費用がかかるため、そのような工法を採用する以前に行うべき事がたくさんあります。安価で効果的な地震対策として、書いてみます。
①重心と剛心(偏心率)について
重心とは建物の平面形状の中心で、剛心とは水平力に抵抗する力の中心。重心と剛心を一致させる事が理想的ですが、一般的な住宅のプランでは、現実的に一致させることは難しい問題です。重心と剛心のずれた距離を偏心距離といいますが、偏心距離が大きいほど家は倒壊しやすくなり、出来る限り偏心距離(重心と剛心の距離)を小さくする事が大切です。偏心率とは、これを数値化したもので、偏心率が小さいほど地震の力による建物の変形(ねじれ)が少なく、地震に強い家と判断できます。
②耐力壁量、バランスについて
筋かい、構造用合板で構成される壁を耐力壁といい、地震力、強風に抵抗して建物の変形を防ぎます。
耐力壁は、バランスよく配置させる事が重要で、配置が悪いと、地震、強風時に、建物のひずみ、建物倒壊の大きな原因になってしまいます。(耐力壁のバランスは偏心率によって数値化されます。)
また、床面積等によって計算される必要壁量(法令によって定められている必要な耐力壁の量)に対して、設計された耐力壁の有効長さがどのくらいあるかの割合(壁量安全率)を求め、1.0を下回らないように、プランの段階で検討する必要があります。
③耐力壁の上下階の位置について
上下階の耐力壁の位置を出来るだけ一致させるプランを考える事が重要。出来れば、半数以上の柱を一致させることが理想的と考えます。2階の耐力壁の全長に対する、その中で1階の耐力壁上に位置するものの長さの割合を直下壁率といい、0.3以上の数値(全て一致する場合は1.0)になるように考える必要があります。
※弊社では、直下壁率を、プラン作成と並行して、お客様に御提案いたします。
④柱の位置について
上下階の柱の位置を出来るだけ一致させるプランを考える事が重要。出来れば、半数以上の柱を一致させることが理想的と考えます。
⑤住宅設備等
吊戸は耐震ラッチ付きにする、家具をしっかりと固定する(市販の耐震ポール等)、etc 高額な免震工法、制震工法を採用する以前に行うべきことがあります。
⑥耐震金物
大震災では、土台と柱、2階床梁と柱の外れが原因で、建物倒壊に至った建物が多く見受けられ、それらの原因を回避するために、平成12年以降、建築基準法により、耐震金物の取り付けが義務化されました。法で定められているために当然の事ですが、厳しい現場管理を行い、耐震金物を確実に取り付ることにより、かなり地震に対する効果を発揮します。
※詳しくは、(株)清武建設/清武一級建築士事務所 でもご説明いたします。
℡0120-01-5040(火・水・定休)
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